初心者必見!フィジーク大会前日の水抜き・塩抜きやり方と注意点

フィジーク大会前日に水分と塩分を管理する選手のイメージ 筋トレ
Photo by Sven Mieke

水抜き・塩抜きとは何か

大会直前の「仕上げ調整」として知られているが……

水抜きとは、体内の皮下水分(ひかすいぶん)を一時的に減らして筋肉の輪郭をシャープに見せる方法です。塩抜きとは、塩分(ナトリウム)の摂取を制限してむくみを抑える方法を指します。

SNSや大会動画でよく見かけるため「やらなければいけないもの」と思っている初心者の方も多いですが、実はそんなことはありません。やり方を間違えると仕上がりが崩れる、リスクの高い調整法でもあります。

初心者ほど水抜き・塩抜きの効果を実感しにくい理由

効果が出る前提条件がある

水抜き・塩抜きで「シャープに見える」効果が出るのは、すでに体脂肪が十分に絞れている状態が前提です。皮下脂肪が残っている状態では、水分を抜いたところで脂肪の層が邪魔をして筋肉の線は浮かび上がりません。

つまり、体脂肪率がある程度低くなければ、水抜き・塩抜きは「意味のある調整」にはなりにくいのです。初心者が最初の数大会で絞り切れていない状態でこれをやっても、成功する可能性は極めて低いと考えておいた方が現実的です。

失敗すると逆効果になる

水を抜きすぎると、筋肉内の水分まで失われて筋肉がしぼんだ状態になります。こうなるとパンプアップ(ステージ直前に血流を集める動作)もうまく入らず、せっかくの仕上がりが台無しになります。

塩を完全にゼロにしすぎると、身体がナトリウム不足に反応して逆に水分を溜め込もうとします。その結果、大会当日の朝に顔や脚がむくんで「塩抜きしたのに浮腫んでいる」という状態になるケースも少なくありません。

初心者のうちは、無理に水抜き・塩抜きを試みるよりも「減量をしっかり完遂すること」に集中する方が、結果的に良い仕上がりにつながります。

2025年のメンズフィジーク大会に体脂肪率約11%の状態で出場した際、水抜き・塩抜きに挑戦しました。しかし当日はむくみが出てしまい、筋肉のカット(輪郭の鮮明さ)を十分に出せませんでした。さらにパンプアップでも筋肉が張る感覚が得られず、納得のいく仕上がりにはなりませんでした。


経験者が実際に行っている水分・塩分管理の数値

通常期・大会前日・大会当日の実データ

参考として、筆者が2026年のJBBF兵庫オープン大会(初ステージ13時40分)で実際に行った水分・塩分管理の数値を公開します。

【通常期(減量中の普段の日)】
水分:4〜5L/日  塩分(食塩相当量):約7g/日

【大会前日】
水分:1L  塩分(食塩相当量):約3g

【大会当日】
起床〜12時:水分100ml、塩分0g
12時30分(ステージ1時間前):水分100ml+シーソルト3g
以後、ステージ登壇のたびに1時間前に水分100ml+シーソルト3gを補給

通常期の水分量(4〜5L)に対して、前日は1L、当日は100mlまで絞っています。また、完全に塩をゼロにするのではなく、前日から少量(3g)を維持しつつ、当日ステージ前にシーソルトを補給することで筋肉の張りを引き出す方法を取っています。

この方法は筆者の5大会分の経験をもとにした個人的なルーティンです。体質や大会のスケジュール・気温によって最適な数値は変わるため、あくまで「参考データのひとつ」として見てください。

初心者へ伝えたいこと

まず「絞り切ること」を最優先にする

水抜き・塩抜きは、しっかり絞れた身体をさらに仕上げるための「最後の一手」です。絞り切れていない状態でどれだけ丁寧にやっても、思ったような効果は出ません。

初めての大会、あるいは経験が浅いうちは「水抜き・塩抜きをしない」という選択も十分あります。減量を完遂して当日を迎えることの方が、よほど大切です。経験を積んで自分の身体の反応が分かってきたタイミングで、少しずつ試していきましょう。

失敗も経験のひとつです。実際に水抜き・塩抜きを試してみなければ、自分の身体がどう反応するかは分かりません。余裕を持って減量を進めることができれば、大会の1週間前に予行練習を行うこともできます。大会前日・当日にぶっつけ本番で臨むのではなく、あらかじめ練習しておくことをおすすめします。

自己紹介
この記事を書いた人

筋トレ歴8年・フィジーク大会出場経験あり/2026年度JBBFメンズフィジーク地方大会3大会連続メダル獲得。普段は営業職の会社員。「初心者の頃に知りたかったこと」を、自身の経験と研究・公的機関の情報をもとにわかりやすく発信しています。

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